ただ塩をまぶして冷蔵庫で寝かせておくだけなのに、元の豚肉が熟成されて100倍おいしくなるうえ、アレンジ自在で冷蔵庫が無敵になる【塩豚】をご存知ですか?
作り方はびっくりするほど簡単!
冷蔵で7日間、冷凍しておけば1ヶ月は保存可能なので塊肉をまとめて買ってきてぜひ冷蔵庫・冷凍庫に常備しておきたいスタメンです。
- 「基本となる塩豚」の作り方
- 塩豚を作る時の塩の量は何gが適正か
- どこよりも簡単で作る気になる塩豚アレンジレシピ
【基本の塩豚】の作り方
豚の塊肉に塩をまぶして冷蔵庫で3日以上寝かせて熟成させたものが【基本の塩豚】です。
この【基本の塩豚】を使ってさまざまなメイン料理にアレンジできます。
【基本の塩豚】には塩しか使いませんが、塩の力で肉のくさみも抜けて旨味が凝縮され、無敵の食材になるのです。
なぜ塩の力で美味しくなる?
塩をまぶすことで浸透圧により豚肉の余分な水分が抜けて肉の旨みが凝縮します。もともと冷蔵技術が発展していなかった時代の保存方法のひとつとして生まれたもので、生ハムやパンチェッタも塩豚と同じ「豚肉と塩だけで作る食品」の仲間です。
塩豚の簡単な作り方
塩豚に使う塊肉の選び方
豚バラ肉、豚肩ロース、ヒレ肉など
※豚バラ肉>豚肩ロース>ヒレ肉の順に脂身が少なくなるので、お好みでどうぞ。迷ったら肩ロースが脂身とのバランスが取れていておすすめです。ヒレ肉なんて0キロカロリーみたいなもんですから(こら)、ダイエット中の方にも良いですね!
- 豚バラ肉、肩ロース、ヒレ肉などお好みのブロック肉
- 豚肉の重さの2%分の塩(500gの肉なら約小さじ2)
よく塩豚のレシピサイトで、材料欄に「塊肉500g」「塩大さじ1.5」とか書いてありますが、500gピッタリの塊肉なんて買えないし「え・・塊肉が400gだったんだけど塩は何g・・・絶望」ってなると思うのですが、安心して。
あなたが手に取った塊肉で大丈夫です。塩の量は豚肉の量に対して2%分にします。
例えば、豚肉が500gだったなら500×0.02=10gの塩=約小さじ2 でOK!
なんなら肉の重さ3%の塩でも別に大丈夫です。ちょっと濃いめに仕上がるだけで別に美味しいので。
塩は肉の重さの2%と書きましたが、少々前後しても問題ナシなのでざっくりとおおらかな気持ちでまぶしましょう♩
大丈夫、おいしくなります。
塩をまぶした後は、揉むように擦り込んでいきます。
3日目からが食べごろです。
7日程度冷蔵庫で保存できますが、3日経ったところで冷凍しておくと、解凍すればいつでもごちそうが作れる無敵冷凍庫になります。
塩豚をおいしく作るポイント
- 塩はできるだけ天然塩(自然塩)で
塩化ナトリウムのみの精製塩(いわゆる食塩)は味がとがっているので、できれば天然塩がオススメです♩
(もちろん食塩でも塩豚は作れます) - できれば豚肉を買ってきたその日のうちに処理を
新鮮な状態で作るのがベスト。冷凍肉を使う場合は冷蔵庫で解凍し、解凍後早めに塩豚にしてしまいましょう! - 塩を擦り込む前に豚肉の水分をしっかり拭き取る
キッチンペーパーでしっかり水気をとってから処理を始めると、より旨みが凝縮します。
基本の塩豚を使ったアレンジレシピ
世の中に塩豚のアレンジレシピは山ほどありますが、どれもこれも「調味料と行程を覚えるのがめんどくさい」と思いませんか?
時短調理のために塩豚作ってんのに、アレンジレシピ作るたびにいちいちまた「前に見たあのレシピなんだっけ」ってレシピサイトを検索したり、醤油が大さじ1で〜とかいちいち計量したり、一般家庭にない調味料が必要だったり・・・
バルサミコ酢・・・ないわ!!
レシピの最初に「このレシピにはバルサみこ酢が必要です。ご了承の上で読み進めてください」って書いといて!!後出しでバルサミコ酢がいるって書かんとって!!レシピ見た時間返して!!
ってなるしな!!
ということで、料理研究家でもプロでもないただのお母さんである私が書くからには、簡単すぎてこのブログを再度見返さなくても記憶できるアレンジレシピをいくつかご紹介します♩
もはやレシピと言えるのか。
材料変えただけちゃうか。とも言えるものばかりですが、どれもめっちゃ美味しいし「え、あんた本当にあの豚さんなのか・・?」ってなるのでぜひ作ってみてください。
定番!塩豚のポトフ
塩豚を一口大に切り、ポトフに入れたらいいような野菜(言い方)とともに鍋に入れ、具材がひたる程度の水・コンソメ少々を入れて蓋をして弱火で45分煮込む。終わり。
入れたらいい感じの具材
じゃがいも、玉ねぎ、にんじん、きのこ類、キャベツ、かぶ など
コンソメはなくてもいいくらい塩豚から美味しい出汁が出るのですが、ちょっと入れたらポトフ感出ます。(そりゃそうじゃろ)
グツグツ沸騰させて15分くらい煮ても野菜と肉に火は通りますが、弱火でコトコトいった方が塩豚が柔らかくジューシーになるので、時間が45分以上あればぜひ弱火でどうぞ。
塩豚ポトフの汁なし版:洋風肉じゃが
さっきの塩豚ポトフの汁ない版で、お好きな野菜と一緒に鍋でただ煮るだけという料理。
入れたらいい感じの具材
じゃがいも、玉ねぎ、にんじん、きのこ類、キャベツ、かぶ など
野菜を最初に入れて、野菜の上に塩豚をのせるイメージで鍋に入れ(イメージっていうか上にのせて。)、オリーブオイルをひとまわしタラリとしたら、蓋をして弱火で45分コトコト。
もしローズマリーとかあれば、一緒にコトコトすると「え?何このおしゃれな味は」ってなります。
洋風肉じゃがの具を変えただけ:大根と塩豚の洋風煮物
これもめっちゃ簡単。
もはやさっきの具を大根に変えただけなんですが、「大根1本98円だったからつい買っちゃったけどこんなにどうするん」って買った後で絶望した時なんかにも最高です。
一口大に切った塩豚と大根を、大根・塩豚・大根・塩豚ってなるように層にして重ね、味付けなし・水を大さじ2〜3くらいだけ入れて蓋をして弱火で45分。
ポイント:味付け一切不要(もはやポイントではない)
地味な「大根の煮物」がメイン料理級に昇格。
え、大根の煮物いつもこれにして。っていうくらい美味しくなります。(大根に失礼)
鶏唐揚げを超える:塩豚の唐揚げ
下味不要、いきなり片栗粉つけてカラッと揚げる!終わり!っていう超簡単メニューなのに「ちょ、おま・・・豚なのに鶏からを超える・・・だと・・・?」ってなるのでオススメです。
塊肉を一口大に切る時、どうしても鶏肉と比べてスパッと切れるので、揚げ上がりがなんか「お前四角いな・・・」ってなりますが味は豚肉の旨味が凝縮しててめっちゃ美味しい!
片栗粉でも小麦粉でもお好きな粉でどうぞ。
細かく切って炒めると旨味あふれる:塩豚チャーハン
いつものチャーハン、焼き飯に入れる肉(普段は挽肉やウインナーですっていう人も多いはず)を塩豚に変えてみて!
焼豚で本格的に作ったチャーハンのように、いやむしろそれ以上の旨味があふれるチャーハンになります。
塩豚に塩見がしっかりあるので、いつもより味付けは薄めでOKです。
シンプルにカリッと焼くだけ:塩豚のサムギョプサル風
塩豚を薄くスライスしてふらいぱんでカリッと焼き、レタスで包んで食べたりサラダにのせたり。
塩味がきいているのでタレがなくても十分おいしいですよ♩
茹でるだけで謎においしい:茹で豚
塩豚をブロックごと鍋に入れ、塩豚がひたる程度の水、酒(適当でいいけど大さじ2〜3)、あれば長ネギの青い部分とスライスした生姜(1枚〜数枚お好みで)入れて、沸騰→アクが出てきたら取る、蓋をして弱火で45分コトコト。終わり!
粗熱が取れたらスライスしてそのままどうぞ。
ラーメンにのせれば、アッサリめのチャーシュー風にも!
むしろこの方がヘルシーで良いかも?
シンプルイズベスト:塩豚ステーキ
1cm程度にスライスし、トンテキとして食べるのもめちゃくちゃシンプルでめちゃくちゃ美味しいです!
普通のトンテキだと何かソースも作らなきゃってなりがちですが、塩豚ならソースいらず!ただ焼くだけでごちそうになります。(別にソース作ってもいいんだよ)
<言うほどでもない焼き方>
・塩豚を1cm程度(お好みの厚さ)にスライスし、キッチンペーパーで水気をよく拭く
・フライパンにオリーブオイル少々を熱して中火で2〜3分焼き付ける→焼き色がつけば裏返して裏も2〜3分。
・食べやすくとんかつカットして盛り付けてね!
塩豚レシピまとめ
いかがでしたか?
塩豚の無限の可能性・塩豚がいる冷蔵庫・冷凍庫の無敵さがお分かりいただけたでしょうか・・・!
世の中に数ある「作り置きレシピ」の中でも、アレンジがきいて保存もきくものとしてはNo. 1(わたし調べ)の塩豚。
とにかく簡単に作れて、アレンジの種類が多いし、塊肉で作るのでボリュームもごちそう感も最高。
スーパーに売ってる普通のブロック肉が、バルで食べるようなオシャレな料理に早変わりするので(バル行かんけど)、ぜひ作ってみてくださいね。
まとめて5本くらい買って作って保存しといたら、マジで冷凍庫が無敵です!!
お試しあれ!!